本屋さんで紹介されていたのを見て、パラパラ立ち読みさせていただいて、たまごさんに恋してしまいました(笑)
2021MOE絵本大賞2位。
✐大人向け絵本・児童書が好きな方
✐シュールな絵本が好きな方
✐哲学が好きな方
✐毒舌が好きな方
✐ちょっといじわるな方(笑)
↑これ一番重要w
✐「世の中に善悪はない」という言葉が心に響く方
あらすじ
ある日突然、目を覚まして、動き出した「たまご」のおはなし。
マシュマロと友達になり、キッチンを抜け出して散歩にでかけることに。
「めをさましたら」「さんぽ」「あめのひ」の3編に分かれています。
シュールで、哲学的で、生意気で、いじわるっぽくて。
絵も、かわいいようなそうでもないような、シュールでシック。魅力的なタッチです。
絵本ですが、大人も子供も楽しめそうな一冊。
Cocoの感想
以下、私の個人的な感想です。
本屋さんで立ち読みしていて、ナッツたちが登場する手前まで読みました。
その時点で、もうすでに、なぜなのか、ワクワクが止まりません。
自分の目がキラキラ輝いているのがわかるのです。
何がそんなに魅力的だったのか、その時はつかみきれず、「???」とウキウキルンルンな気分でレジに並んだのを覚えています。
個人的に、この絵本の面白みは、
「たまごの表情が絶妙」「内容が深い」「本質的」「読む人によって様々な見方ができる」「それぞれの登場人物に共感できる」「人間そのものを描いている」
などでしょうか。
不思議なのですが、何度も読み返してしまうのです。
3度目に読み返して気づきました。なぜ、この本に出合った時、私はあれほどまでに興奮したのか。
それは、「たまごさん」が私に似ていると気づいたからでした。
ネタバレ
以下、ネタバレありです。
本当に様々な見方ができる絵本だと思います。
たまごのめざめは、意識の目醒め、宇宙の誕生はたまた魂の目醒めともとらえられます。スピリチュアル的視点。
世の中に善悪はないこと。たまごは、仲間のたまごを割ってしまいます。(わたしにはそう見えました)
しかし、まったく悪びれる様子がない!(笑)
そう、たまごが悪いわけではないのです。おそらく、多くの人は、わたしが感じたように「たまごが仲間のたまごを割った」と感じるのではないでしょうか。
本当は、世の中に悪いことなんて、ないんですね。
たまごはマシュマロとの会話から、みんな自分と同じとは限らない、それぞれ価値観は違うことに気づきます。
「おしつけるなよ」って、言われてますもんね。
うえきばちやクッション、とけいのように、一般的な価値観を持ち出して、正義を語るような場面。
しかし、何が正しいかなんてことは、人それぞれ異なる。
似た者同士の少しの違いと非難しあったり、共通の敵を見つけて結束したり。ナッツたちは、人間の集団にそっくりw
面白いですね、本当に。
最後にたまごは気づきます。
たまごの中にも、いいたまご、わるいたまご、いろんなたまごがいること。
いろんな自分がいること。
そして、それを気にするどころか、とってもすがすがしい顔をしている!
そう、このたまご、わたしたちが抱きやすい罪悪感とか、劣等感とか、自己卑下とか、そういうのがまったくない。
それがとても痛快で、爽快で、魅力的なのだと感じました。
そして、わたし自身の中にいる、そんなたまごのような部分に光が当たり、そんな自分のことを好きだと感じたのでした。
↓ 大好きなシーンのひとつw
まとめ
個人的には、何度も、何度も読み返したい絵本になりました。
深い。かつ可愛い。
もし、わたしと似た感覚をお持ちの方でしたら、たまごの表情を見ているだけで、ニヤニヤできますw
他人の評価や人からどう見られるか、気になってしまったときには、たまごがほんの少し、「まぁいっか」と思わせてくれるかもしれません。
ご興味あれば、ぜひ。オススメです。